アメリカ生まれの日本人は二重国籍?国籍留保と国籍選択の期限を解説!

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日本の国籍法は生まれた場所に関係なく、親の国籍を引き継ぐ「血統主義」となっていますが、アメリカはアメリカで生まれた子どもに自動的にアメリカ国籍を与える「出生地主義」の国です。

そのため、日本人の親のもとにアメリカで生まれた子どもは、生まれた瞬間に日本とアメリカの二重国籍になることがあります。

一方で、手続きを忘れると日本国籍を失ってしまったり、大人になってから「国籍選択」を求められたりもします。

この記事では、アメリカ生まれの日本人の国籍について、国籍留保・二重国籍・国籍選択の順に解説します。

 

この記事の結論

アメリカ生まれの子は、手続き次第で二重国籍になれます。ただし期限が2つあります

  • 国籍留保:生まれてから3か月以内に、出生届と一緒に届け出ないと日本国籍を失います
  • 国籍選択:二重国籍の人は、20歳になるまでにどちらかの国籍を選ぶ必要があります
  • 国籍留保を忘れても、18歳未満で日本に住んでいれば、届出で日本国籍を取り戻せます
  • 大人になってから自分の意思で市民権を取った場合は、二重国籍にはならず、日本国籍を失います
 

「アメリカ国籍の日本人」には3つのパターンがある

「アメリカ国籍の日本人」といっても、法律上の立場は大きく3つに分かれます。

どれにあたるかで、その後の手続きがまったく変わります。

パターン 国籍 ポイント
① アメリカで生まれ、 国籍留保をした 日本とアメリカの二重国籍 20歳までに国籍選択が必要 (この記事のメインの内容)
② 大人になってから、 アメリカの市民権を取った アメリカ国籍のみ (元日本人) 自分の意思で外国籍を取ると、その時点で日本国籍を失います (国籍法11条1項)
③ グリーンカード (永住権)で暮らしている 日本国籍のみ 永住権は国籍ではないため、日本国籍はそのままです

②の元日本人の方が日本に戻る方法は、元日本人が日本に戻るための在留資格の記事で解説しています。  

 

アメリカで生まれた子が日本国籍を持ち続けるには:国籍留保

日本人の親から生まれた子は、生まれた場所に関係なく日本国籍を取得します。

ただし、海外で生まれて外国籍も同時に取得した場合は、日本国籍を「留保」する届出が必要です。

外国で生まれた子で、出生によって日本国籍と同時に外国国籍も取得した子は、一定の期間内に、日本国籍を留保する意思表示をしなければ、その出生の時にさかのぼって日本国籍を失うこととされています 法務省「国籍Q&A」より

国籍留保の届出

  • 期限:出生の日から3か月以内
  • 方法:出生届の「日本国籍を留保する」欄に記入して、出生届と一緒に提出
  • 届出先:在米の日本大使館・総領事館、または日本の市区町村
  • 届出人:父母などの法定代理人

両親とも日本人でも、アメリカで生まれればアメリカ国籍を取得するため、国籍留保が必要です。

期限を1日でも過ぎると受理されないため、出産後すぐに準備を始めましょう。

 

国籍留保をしなかった場合は?

国籍留保をしなかった子は生まれたときにさかのぼって日本国籍を失い、アメリカ国籍だけになります。

それでも、日本国籍を取り戻す方法はあります。

子どもの状況 方法
18歳未満で、 日本に住所がある 法務大臣への届出で日本国籍を取得できます(国籍法17条1項)。 帰化のような審査はありません
18歳以上、 または日本に住んでいない まず在留資格「日本人の配偶者等」で日本に住み、その後に帰化を申請します

17条1項の年齢は、2022年4月1日に「20歳未満」から「18歳未満」に変わりました。

お子さんが日本に引っ越す予定がある場合は、18歳になる前に手続きを済ませることが大切です。

帰化については元日本人の帰化の記事で詳しく解説しています。  

 

二重国籍のあいだの暮らし方

国籍留保をした子は、国籍選択の期限までは二重国籍の状態です。

この間は、日本とアメリカの両方のパスポートを持つことができます。

  • ✓ 日本に出入国するときは、日本のパスポートを使う
  • ✓ アメリカに出入国するときは、アメリカのパスポートを使う
  • ✓ 日本に住む場合、在留資格や在留カードは不要(日本人として住民登録)
  • ✓ アメリカ国籍がある間は、アメリカの税務申告の義務がある(詳しくは税理士へ)

 

二重国籍の人は「国籍選択」が必要

日本の国籍法は二重国籍を想定しておらず、二重国籍の人は期限までにどちらかの国籍を選ぶ義務があります。

2022年4月1日から、期限が次のように変わりました。

二重国籍になった時期 国籍選択の期限
18歳になる前(アメリカ生まれの子はこちら) 20歳になるまで(改正前は22歳まで)
18歳になった後 二重国籍になった時から2年以内

2022年4月1日の時点ですでに成人していた方などには経過措置があります。

該当しそうな方は、法務省の案内で確認してください。  

 

日本国籍を選ぶ場合

方法は2つあります。 ①アメリカ国籍を離脱して、市区町村か在外公館に「外国国籍喪失届」を出す方法と、②市区町村か在外公館に「国籍選択届」を出し、日本国籍を選んで外国国籍を放棄すると宣言する方法です。

②の選択宣言をしても、アメリカの法律上、アメリカ国籍は自動的にはなくなりません。

日本の国籍法では、宣言をした人はアメリカ国籍の離脱に努めなければならないとされています(努力義務。国籍法16条1項)。  

 

アメリカ国籍を選ぶ場合

法務局か在外公館に「国籍離脱届」を出して、日本国籍を離脱します。

離脱後に日本で暮らす場合は、在留資格が必要になります。

 

期限までに選ばなかった場合

法務省は、期限を過ぎただけで日本国籍が自動的に失われたり、刑罰を受けたりすることはないと説明しています。

ただし、国籍法に反する状態にはなります。 また、法務大臣から国籍選択の催告を受けた場合、催告を受けた日から1か月以内に日本国籍を選択しないと、原則として日本国籍を失います。

期限を過ぎていても、速やかに手続きをしましょう。  

 

よくあるご質問

Q. 両親とも日本人でも、アメリカで生まれたら二重国籍になりますか? はい。アメリカは出生地主義のため、親の国籍に関係なくアメリカ国籍を取得します。生まれてから3か月以内に国籍留保をすれば、二重国籍になります。
Q. 国籍留保をしたかどうか分かりません。 日本の戸籍謄本を取り寄せると確認できます。戸籍にお子さんが記載されていれば、国籍留保がされています。戸籍に記載がなければ、留保されていない可能性があります。
Q. 大人になってからアメリカの市民権を取りました。今も二重国籍ですか? いいえ。自分の意思で外国籍を取得した時点で、日本国籍は失われています。戸籍に反映させるため、国籍喪失届を出す必要があります。日本に戻る方法は、元日本人向けの記事をご覧ください。
Q. 子どもを日本の学校に通わせたいのですが、在留資格は必要ですか? 日本国籍があれば在留資格は不要で、日本人として住民登録します。国籍留保をしておらず日本国籍がない場合は、18歳未満なら国籍取得の届出、または在留資格の取得を検討します。

 

まとめ

アメリカ生まれの子どもが日本国籍を持ち続けるには、生まれてから3か月以内の国籍留保と、20歳までの国籍選択という2つの期限があります。

国籍留保を忘れてしまっても、18歳未満で日本に住めば届出で取り戻せる道があります。

ご家族の国籍の状況は一人ひとり違います。

日本への帰国を考え始めたら、まず家族全員の国籍と戸籍の状況を確認することから始めましょう。

 

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※本記事は2026年11月時点の法令に基づいています。

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