ゲイやレズ同性愛者で認知症になった時にパートナーにお世話してもらいたいなら任意後見制度・財産管理等委任契約・死後事務契約の検討を!

LGBTQ

ゲイやレズなど同性愛者のパートナーが認知症になったら、法的にサポートできるか否か?

いつの頃からか性の多様性が叫ばれるようになり、ゲイやレズの人たちもカミングアウトしやすい環境になってきたと思います。

同時にゲイやレズの同性パートナーも増えたように感じますし、普通に街中を歩いている姿も以前に比べてたくさん見るようになりました。

自治体によっては同性パートナー証明書を出してくれるところもあり、同棲しているゲイやレズの方も増えているようです。

ですが、残念ながら未だ同性の結婚は日本では認められていません。

法的に家族・身内になる事ができないのです。

一般社会や公的機関ではゲイやレズなどの同性愛者に対して歓迎する方向性が高まっていますが、法的にはまだまだ進んでいないと言わざると得ません。

法的に家族・身内になれないと、例えば法定相続人になれないという問題点が生じます。

何もしないでおくと、遺産はパートナーではなく身内が受け取る事になるので注意が必要です。

ですが、相続に関しては、遺言書を遺しておくで自分の意志として財産分与の方法を定めることが出来ます。

その為、パートナーに遺産を渡したければ、遺言書を書く事が重要となってきます。

レズやゲイなどの同性愛者は遺言書を書いておかないとパートナーに遺産相続できずに資産を遺せない!(大阪市北区の行政書士)
レズやゲイの人は愛するパートナーの為に資産を遺したければ遺言書を遺しておく必要があります。同性愛は公的に認められることが増えていますが、法的にはまだまだ認められない事が多いです。遺言書を正しく書いて、正しく遺す事が重要となってきます。

ですが、相続以外の問題点もある事を考えておかなければなりません。

例えば、パートナーが認知症や何らかの障害を持ってしまった時、その後にサポートを続けられるかどうか?と言う点です。

法的にパートナーは家族・身内ではないので、何も対処をしていないでいるとパートナーからサポートを受けられない、パートナーをサポートできないという状況に陥ってしまうのです。

 

ゲイやレズなど同性愛者のパートナーが認知症になった時にサポートをする/受ける為には任意後見制度を活用すべき!

高齢化が進行する日本。

長生きできる人が増えていて喜ばしい事ですが、同時に認知症になる人も増えています。

最近では若年性認知症という言葉も聞くようになりました。

認知症は誰がなっても不思議ではない病気です。

もし、自分が認知症になったらどうすれば良いのでしょうか?

認知症になった事を家族が把握すると、家庭裁判所に申し立てることにより、成年後見人を任命してもらえます。

成年後見人とは、判断能力が不十分な成年者の財産管理や生活支援を行う人の事で、本人の利益を保護したり支援する役割を担います。

具体的には、本人の代わりに何らかの契約を締結したり、財産を管理したりすることが可能となります。

また、本人が何らかの契約をした後に、これはおかしいと感じた成年後見人は契約を無効にする事もできます。

(一般的な買い物など、日常行為での契約は除く。)

このように書くと、とても良い制度に感じますが、成年後見人は家庭裁判所が選定するので、誰が指名されるか分かりません。

家族ではない人が指名される事もあるのですが、ゲイやレズのパートナーが指名される事は考えにくいです。

つまりは、ゲイやレズの人が認知症になってしまったら、そのパートナーは財産の管理や契約の可否などを自分では行えず、どこかの誰かにやってもらう事になってしまいます。

(もちろん、家庭裁判所は信頼おける人を任命してくれます。)

ここまで説明してきた家庭裁判所が任命する制度は「成年後見制度」と呼ばれています。

ゲイやレズの人で信頼おけるパートナーに後見人になってもらいたいと思うのならば、どうすれば良いのでしょうか?

実は、後見人は家庭裁判所が選ぶだけでなく、心身共に健康なうちに自分自身で任命する事もできます。

それが「任意後見制度」と呼ばれるものです。

元気なうちに、将来のもしもの為に任意に後見人を自ら選定しておけるので、ゲイやレズのパートナーの方はこの制度を使ってお互いを後見人にしておく事をお勧めします。

任意後見制度は、元気なうちに公証役場で公正証書で契約しておく必要があります。

その後、認知症になってしまった時に家庭裁判所に申し立てて、任意後見人を監督する「任意後見監督人」を家庭裁判所が任命する事で支援をスタートすることができます。

簡単に任意後見制度の流れをまとめてみたいと思います。

①契約準備 本人と任意後見を依頼された人(任意後見受任者)で任意後見の内容を取り決める。
②任意後見契約 ②-1.公証人が作成する公正証書で契約締結。
②-2.法務局で任意後見契約の登記を行う。
(本人の判断能力が不十分になってしまった)
③申し立て ③-1家庭裁判所に任意後見監督人(任意後見人を監督する人)の選任申し立て。
③-2申し立てができるのは、本人・配偶者・四親等内親族・任意後見受任者etc。
③-3.申立書・医師の診断書・戸籍謄本などが必要。
④支援開始 任意後見監督人が選任され、任意後見受任者が任意後見人となって支援をスタートする。

レズやゲイのパートナーの場合、お互いがお互いの任意後見人となった方がよいはずなので、公正証書が2つ必要となります。

任意後見制度についてもっと知りたい方や、任意後見制度の公正証書の作成の手続きでお悩みの方はお気軽にご相談いただければと思います。

行政書士は専門家として、公正証書作成のお手伝いを行うことが可能です。

 

任意後見制度のご相談はこちらから! ⇒ 大阪市北区の行政書士Office KAIに問い合わせてみる!

 

任意後見制度ではカバーできないこともある!「財産管理等委任契約」や「死後事務委任契約」も検討すべき!

任意後見制度は認知症になった時に代理権を行使して、様々なサポートや契約の代行(無効化)をすることができます。

ですが、全てができる訳ではありません。

先ず前提として、任意後見制度は認知症になった時に効力を発揮するので、例えば何らかの障害で体が動かなくなった時のサポートは行えません。

こうした時に備えて、任意後見制度と共に「財産管理等委任契約」を提携しておく事をお勧めします。

財産管理等委任契約を提携しておけば、何らかの障害になった時にも以下のような管理をパートナーにお願いすることができます。

◆預貯金・現金管理
◆不動産の管理・処分
◆賃貸借契約の締結や解除
◆遺産分割
◆自動車の管理・処分

財産管理等委任契約も実際に効果を発揮するのは障害で体が動かなくなってからであり、公証役場で公正証書を作成しておく必要があります。

財産管理等委任契約の公正証書作成も行政書士が専門家としてサポート可能です。

 

認知症ではなく何らかの障害が起こった時に任意後見制度では対処できない事をお伝えしました。

一方、任意後見制度でも行いサポートもあるので、まとめてみたいと思います。

◆保証人や身元保証人にはなれない
◆手術などの医療行為の同意者にはなれない
◆介護や買い物などの事実行為はできない
◆葬儀などの死後事務はできない
◆本人が亡くなった時の相続手続きはできない

生前にできない事もありますが、死後にできない事もあるので注意しておく必要があります。

相続手続きに関しては、冒頭で遺言書を書いておくべきと説明しました。

もう一つ死後で気にしなくてはならないのは、葬儀などの手続きを誰が行うかです。

家族や身内が行うのが一般的ですが、ゲイやレズの方でパートナーに死後の手続きを行ってもらいたいと考えているのなら、「死後事務委任契約」を締結しておかなければなりません。

死後事務委任契約では以下のような手続きを盛り込んでパートナーにお願いすることができます。

◆親族等への連絡
◆通夜・葬儀・墓の管理や永代供養について
◆役所への各種届け出
◆不動産の明け渡し
◆医療費や施設利用料、公共料金の支払い・清算
◆ペットの今後について
◆遺品整理や処分

死後事務委任契約も公正証書で作成しておけば、相続人(家族・身内)に対抗できるようになります。

どのような内容にするかはパートナーと話し合ってもらいたいですが、実際の作成の際には専門家である行政書士にサポートをお願いすればよいでしょう。

 

ご相談はこちらから! ⇒ 大阪市北区の行政書士Office KAIに問い合わせてみる!

 

LGBTQという言葉が一般的になり、公的に認められることも増えましたが、残念ながら法的には認められない部分がまだまだ多いです。

法的に認められない部分は、自分たちの力でお互いの立場を認めてもらわなければなりません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました