レズやゲイのカップルは法定相続人にはなれない!
性の多様化が認められてきて、レズやゲイのカップルも堂々と生活できるようになっていると感じます。
カミングアウトする人も増えていますし、それだけ日本社会でのレズやゲイが受け入れられる世の中になったんだなと思います。
自治体によっては公的なパートナー証明書を出してくれる役所もありますし、生命保険の受取人もレズやゲイのパートナーでも認めてくれる保険会社が増えています。
日本の生命保険の受取人は二親等以内など社内ルールが定められているところが多いですが、徐々にルールが変わっているのだと思います。
ですが、日本の生命保険は利回りが良くないですよね。
海外の保険会社では、以前から契約者が自由に受取人を指名でき、更には利回りも良いので、日本はまだまだ遅れているなと感じます。
公的にも一般社会にも性の多様化が浸透して変化が起こっていますが、まだまだ法的には追いついていなことが多いです。
その最たる例が、遺産相続です。
役所がパートナー証明書を出してくれていても、ゲイやレズのパートナーは法定相続人にはなれないのです。
法定相続人は以下のように定められています。
①子ども
②両親
③兄弟姉妹
④甥っ子・姪っ子
(配偶者は常に相続人となる。)
身内・家族が法定相続となるのです。
残念ながら、まだまだ法的にはゲイやレスのパートナーは身内・家族にはなれません。
公的な部分と法的な部分で剥離がある状態が多いのです。
こうした状況下で、愛するパートナーに遺産を遺すにはどうすれば良いのでしょうか?
それはズバリ、遺言書を書いておかなければなりません。
遺言書が無ければ、法定相続や相続人による遺産分割協議によって資産承継する方法が決まるので、ゲイやレズの場合はパートナーに資産を遺す事が困難になるのです。
その為に遺言書を遺しておく事が重要です。
もちろん、法的に問題のある遺言書は無効となるので、正しく書いて正しく遺す事も重要となってきます。
正しく遺言書を書いて、正しく遺言書を遺すとは?
遺言書を正しく書いて、遺言書を正しく遺す必要があると聞いて、どのようにすればよいかイメージが湧くでしょうか?
遺言書の書き方・遺し方として、大きく2つの方法に層別されます。
それは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。
その2つの遺言書の書き方や遺し方について解説していきたいと思います。
自筆証書遺言の書き方や遺し方とは?
自筆証書遺言とはどのような遺言書でしょうか?
その言葉からイメージできるかもしれませんが、自分の手で書いていく遺言書になります。
日付や名前、内容を自筆して、押印して作成する遺言書になります。
自分が書きたい時に書ける簡便さがありますが、全て自筆するので大変な側面もあります。
(財産目録などはパソコンで打ち込んだものをプリントアウトして、1枚ごとに署名と押印しても認められます。)
この自筆証書遺言はドラマや映画でよく見られるタイプの遺言書です。
遺言書が自宅のどこからか見つかり、その後に大騒動になるのがドラマや映画の展開ですよね。
ですが、この自筆証言遺言の場合、幾つかの問題が生じることがあります。
まず、そもそも誰かが見つけてくれなければ意味がありません。
また、見つかった遺言書は見つけた人が開封してはならず、家庭裁判所で開封して検認してもらう必要があるのです。
検認はその遺言書の状態を確認し、偽造や変造を防ぐことが目的であり、遺言書としての効果の有無を判断するものではありません。
検認の後に遺産分与へと進んでいく事ができます。
こうした事態を避ける為に、2020年から自筆証書遺言書保管制度がスタートした、法務局で遺言書を扱ってくれる制度がありますが、まだまだ知らない人が多いです。
(自筆証書遺言書保管制度を利用すると、家庭裁判所での検認は不要となります。)
また、レズやゲイのパートナー向けに書いた遺言書は、その内容を巡って身内から無効の裁判を起こされる可能性があります。
身内から、自筆証書遺言は本当に本人が書いたものかを判断する為に裁判を起こされ、筆跡鑑定などが行われたりします。
最終的に遺言書が有効なものと認められたとしても、それまでに労力がかかるので、パートナーの体力や精神力を削っていく結果になってしまいます。
公正証書遺言の書き方や遺し方とは?
公正証書遺言とはどんな遺言書でしょうか?
言葉からイメージすると、公的な感じがしますよね。
公正証書遺言は公証人と事前に遺言書の内容を話し合う事からスタートします。
公証人と話すので大変と思うかもしれませんが、話し合った内容を公証人が文章化してくれるので、自分が全て自筆する必要が無い分だけ気楽と言えます。
作成した遺言書を公証人が証人2人の前で読み上げ、それを遺言者が同意する流れで遺言書を完成させていきます。
最後に署名・押印して完了です。
公正証書遺言の原本は公証人役場で保管されます。
正本と謄本が手渡されますが、正本をパートナー、謄本を本人が持っておけば良いと思います。
公正証書遺言は公証人や証人2人がいる前で完成させているので、家庭裁判所での検認は不要です。
パートナーであれば亡くなった事は直ぐに気付き、公正証書遺言の正本を持っていればスムーズに財産分与に入っていける点もメリットと言えます。
デメリットは、自筆証書遺言よりもコストがかかる点になってきます。
「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い、お判りいただけたでしょうか?
遺言書の目的は、その内容に沿って実行される事です。
問題なくスムーズに遺言書の通りに実行してもらいたいのであれば、公正証書遺言を利用した方が良いかと思います。
どちらにしても、遺言書については分からない事が多いと思います。
専門家である行政書士の力を借りるなどして進めていく事をお勧めします。
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遺言書には遺言執行者を書いておく事ができる!
遺言書の目的は、その内容に沿って実行される事にあります。
遺産分割では相続代表者を決めて、その人が手続きを進めていく事が多いです。
手続きとは、不動産の相続登記、銀行などの手続き、自動車の名義変更etc、多岐に亘ります。
大事な人が亡くなった悲しいタイミングでこうした大変な手続きをしていきますし、慣れない作業になるので心も体も疲労が蓄積します。
そうした状況を見越して、相続執行者を予め指名して、遺言書に書いておく事もできるのです。
レズやゲイの場合は、パートナーに資産を遺したいと考える人が多いかなと思うのですが、そのパートナーを遺言執行者にしておく事はもちろん可能です。
ですが、パートナーの事を思って、行政書士などの信頼置ける人を遺言執行者に指名するケースも少なくありません。
行政書士は各種手続きや代行のプロフェッショナルなので、心強い味方になってくれるはずです。
(相続登記など、本来は司法書士でないとできない項目もありますが、遺言執行者に指名しておくことで、行政書士でも出来るようになります。)
また、遺言執行者は1人だけでなく2人以上を指名しておく事も可能です
パートナーを筆頭の遺言執行者にしておき、サブ的に2人目を書いておくこともできるのです。
遺言書は「人生最後のラブレター」と呼ばれています。
愛するパートナーの為に遺言書を遺すべきと思いますし、愛するパートナーが苦労しないように「正しく書いて、正しく遺す」ことを考えてもらいたいです。
その為に、行政書士などの専門家を頼ってみるべきだと思います。
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