登録支援機関・人材紹介会社が直面する「人材不足」という現実
介護・建設・ビルクリーニングをはじめとする現場では人手不足が慢性化しています。
特定技能制度がスタートして以降も、その状況に大きな変化はありません。
登録支援機関や有料職業紹介事業者にとって、「質の高い外国人材を安定的に継続的に確保できるかどうか」は事業の根幹に関わる課題です。
一方で、送り出し国側とのパートナー選びに苦労しているという声も少なくありません。
書類の不備、手数料の不透明さ、来日後の失踪リスクなど、送り出し機関によって質のばらつきが大きいのが実情です。
こうした中、選択肢として注目したいのがネパールの送り出し機関です。
ベトナム・インドネシアに次ぐ「第3の選択肢」
技能実習・特定技能の送り出し国というと、ベトナムやインドネシアを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、ネパールにはそれに次ぐ「第3の選択肢」としてのポテンシャルがあります。
ネパールの人口構成を見ると、15歳から54歳までの労働年齢人口が全体の約6割を占め、平均年齢の若さと豊富な労働力が特徴です。
また、親日感情が高く、日本語習得への意欲も強い国として知られています。
加えて、他国と比較した際の送り出し費用の透明性や、失踪リスクの低さといった統計的な優位性もメリットとして挙げられます。
建設・ビルクリーニング・介護で1000人規模の待機人材がいる送り出し機関もある!
今回注目したいのは、ある現地送り出し機関との対話で明らかになった具体的な状況です。
この送り出し機関では、建設・ビルクリーニング・介護の各分野で特定技能試験にすでに合格し、日本での就労機会を待つ人材が1000人規模で存在するといいます。
これは、登録支援機関や人材紹介会社にとって見逃せない情報なはずです。
特定技能試験合格者は日本語能力および技能水準について一定の基準をクリアしている人材であり、企業側の受け入れ準備さえ整えば、比較的スムーズにマッチングへとつなげられる可能性があるのです。
「教育」と「送り出し」を一体運営する強み
この送り出し機関の特徴は、現地の日本語学校と送り出し機関を一体で運営している点にあります。
教育機関としての日本語教育と、実務機関としての送り出し業務を同じ組織が責任を持って担っているという体制です。
教育面では単なる暗記型の日本語学習ではなく「話す・聞く」のアウトプットを重視し、現場で実際に使われる専門用語や指示語を事前に学習させるカリキュラムが組まれています。
加えて、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底や時間管理、報連相といった日本式の「仕事の作法」を教室段階から叩き込み、来日後すぐに現場で通用する人材育成を志向しています。
さらに「出稼ぎ」ではなく中長期的なキャリア形成として日本での就労を捉えさせるマインドセット教育も行われており、定着率や就労意欲の面でも期待が持てる内容です。
代表者自身が日本の日本語学校への留学経験、そして日本企業での勤務経験を持ち、日本語能力試験N1を取得しているなど、日本の現場と企業文化を実際に経験した人物です。
こうした背景は、教育カリキュラムや学生への指導方針にも反映されていると考えられます。
選考・マッチング、そして来日後のフォロー体制
人材の質を担保する仕組みとしては、厳格な面接と適性検査に加え、受け入れ企業の文化に合わせた人材のフィルタリングが行われています。
また、送り出し費用の透明化によって、学生や労働者が不当な借金を背負わされることのない仕組みづくりにも取り組んでいるといいます。
これは、来日後の失踪リスクを下げるうえでも重要なポイントです。
来日後のフォローについても「送り出して終わり」にしない体制が整えられています。
日本国内での定期的な訪問とメンタルフォロー、ネパールの家族との連携による失踪防止策、そしてトラブル発生時には代表者自身が日本語で直接対応するという迅速なコミュニケーション体制が構築されています。
登録支援機関にとっては、こうした来日後の支援体制が整っている送り出し機関と組めることは、自社の支援業務の負担軽減にもつながります。
実績が示す「特定分野への偏り」のなさ
この送り出し機関では、過去数年間ですでに1000人近い人材を日本へ送り出した実績があります。
内訳を見ると、介護・外食・宿泊・農業・ビルクリーニングといった特定技能分野に加え、技能実習(技能自習生)、技術・人文知識・国際業務(技人国)、そして留学生と、複数の在留資格にまたがって幅広く人材を輩出してきました。
特定の分野に偏らず、幅広い業種・在留資格に対応してきたという実績は、登録支援機関や人材紹介会社が「今後どの分野で外国人材の採用を検討するか」を問わず、柔軟にパートナーシップを組める土台になり得ます。
また、ネパール国内では建設(土木・建築・ライフライン設備)、介護、宿泊、農業、運送業、空港グラウンドハンドリング、ビルクリーニングなど、複数分野の特定技能試験が現地で実施されており、今後実施される試験分野にも対応していく方針だといいます。
登録支援機関・人材紹介会社にとっての意味
特定技能・技能実習(育成就労)・留学など、複数の在留資格に対応できる体制を持つ送り出し機関と早期に関係を築いておくことは、今後の人材確保戦略において大きな意味を持ちます。
特に、すでに試験合格済みで日本での就労を待つ人材が一定数存在するという状況は、マッチングまでのリードタイムを短縮できる可能性がある点で、登録支援機関・人材紹介会社にとってメリットのある話です。
ネパールという送り出し国、そして教育と送り出しを一体で運営する体制。
この組み合わせは、これからの外国人材受け入れにおいて、検討する価値のある選択肢の一つと言えるのではないでしょうか。
登録支援機関や有料職業紹介事業者にとって、新規の送り出し国パートナーを開拓することは、決して小さな意思決定ではありません。
書類の正確性、費用体系の透明性、そして来日後のトラブル対応まで、信頼して任せられるかどうかを見極める必要があります。
今回紹介した送り出し機関のように、教育機関としての実績と送り出し実務の両方を自社内で一体的に担い、すでに一定数の試験合格者を抱えている送り出し機関は、その見極めのハードルを下げてくれる存在と言えるはずです。
今後、特定技能人材の確保を検討している登録支援機関・人材紹介会社の担当者は、こうした「教育一体型」の送り出し機関という選択肢を、候補の一つとして視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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