先日、自動車関連の某協会様の総会にお招きいただき、行政書士として勉強会の講師を務めてまいりました。
テーマは 「経営者の知っておくべき 許認可・申請、外国人雇用のマメ知識」。
専門用語が多くなりがちな分野ですが、「分かりやすく・実務に役立つ」を意識してお話ししました。
本記事では、その内容をかいつまんでご報告します。
そもそも、行政書士って何をする人?
冒頭でよくいただくのが「行政書士って結局、何をしてくれるの?」という疑問です。
ひとことで言えば、「役所への申請の専門家」であり、「権利義務・事実証明に関する書類作成の専門家」です。
官公署に提出する許認可申請を代行するだけでなく、契約書・株主総会議事録・遺言書作成サポートなど、企業や個人の重要書類を幅広く扱います。
ちなみに、行政書士が扱える許認可は 10,000種類以上。
「こんなことまで?」というものまで含まれます。
自動車業界で頼めること
今回は自動車関連の協会様ということで、業界に近い例をご紹介しました。
- 車両・運輸関連:車庫証明、自動車登録、緑ナンバー・黒ナンバー取得、出張封印 など
- 営業・許認可:古物商許可(中古車・パーツ売買)、レンタカー事業、産業廃棄物処理、屋外広告物許可(看板)など
- 法務サポート:各種契約書作成、株主総会議事録作成、外国人雇用関係の申請取次 など
経営者が見落としやすい「許認可」
事業を行っていると必要な許認可が出てきます。
| こんなとき | 必要な手続き |
|---|---|
| 中古車販売を始める | 古物商許可 |
| 外国人を新しく採用する | 在留資格(ビザ)の確認 |
| 店舗の看板を変更した | 屋外広告物許可 |
| 住所や代表取締役を変更した | 各種変更届の提出 |
| 外国人従業員の雇用を継続する | 在留期間更新許可申請 |
「新しく始めるとき」だけでなく、「変えたとき」にも手続きが発生する——ここが盲点になりやすいポイントです。
事業を続けていると、意外と忘れがちなのが「変更・更新のタイミング」なんです。
会場で盛り上がった「2つのクイズ」
勉強会では、経営者の方にぜひ知っておいてほしい論点をクイズ形式で出題しました。
第1問:取締役の任期切れに気付かず放置すると、どうなる?
→ 100万円以下の過料(≒罰金)が科される可能性があります。
気付かないうちにリスクが積み上がる、典型的な「見落とし」です。
第2問:優秀な外国人留学生のアルバイトを、卒業後そのまま正社員にできる?
→ 「留学」の在留資格のままではNG。
在留資格の変更要件を満たす必要があり、「できない場合が多い」のが実情です。
どちらも「知らなかった」では済まされない論点で、会場でも反応の大きいテーマでした。
「士業の業際」という見えにくいルール
もうひとつお伝えしたのが、各士業には「業際(業務の境界)」があるということです。
たとえば取締役の重任(任期満了に伴う再任)では、
- 株主総会で決議
- 議事録の作成(行政書士にご依頼可能)
- 法務局へ登記申請(司法書士の独占業務)
——というように、1つの手続きの中でも担当できる士業が分かれています。
「どの士業に頼めばいいのか分からない」という声が多いのも当然なのです。
特に伝えたい「外国人雇用」の落とし穴
近年、相談が増えているのが外国人雇用です。ここには、よくある勘違いがいくつもあります。
- ❌ 日本語が話せるから雇える
- ❌ 在留資格を持っているから何でも働ける
- ❌ 留学生だから自由にアルバイトができる
- ❌ 留学生アルバイトが卒業したから正社員にできる
実際には、在留資格ごとに「できる仕事」「できない仕事」が厳格に決まっています。
そして見落とされがちなのが、雇用主側のリスクです。不法就労助長罪に問われると、5年以下の拘禁刑、または500万円以下の罰金(併科の可能性もあり)。
「知らなかった」では守ってもらえません。
最近の入管審査は厳格化が進み、納税状況や社会保険の加入状況まで確認されます。
外国人本人だけでなく、受け入れる企業側の状況もチェックされる時代になっています。
一番お伝えしたかったこと
勉強会の締めくくりにお伝えしたのは、この一点です。
「分からないまま進めること」が、一番危険です。
許認可も外国人雇用も、後から気付くと取り返しがつかないケースが少なくありません。
迷ったら、まずは気軽に聞ける窓口を持っておく——それだけで防げるリスクがたくさんあります。
おわりに
ご参加いただいた皆様、貴重な機会をくださった協会の皆様、ありがとうございました。
「Heart to Heart」の精神で、これからも経営者の皆様に伴走してまいります。
こんなときは、まずご相談ください。
- 新しい事業を始めるとき(許認可の要否調査・申請)
- 自社に許認可が必要か分からないとき
- 法人運営に不安があるとき(議事録の不備・変更届の出し忘れ点検)
- 外国人を採用するとき(在留資格の確認・ビザ申請)
「どの士業に頼めばいいか分からない…」という時も、まずは行政書士を窓口としてご相談ください。適切な専門家へお繋ぎします。
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